設例
退職予定は5年後で退職給付見込額50,000円、計算には割引率5%を用いる(円未満はその都度四捨五入)
という設定で退職給付引当金や退職給付費用を求める場合の電卓の打ち方を掲載します。
退職給付引当金の計算がイマイチピンと来ないという方は、何度か電卓で計算練習してみてください。
電卓の打ち方
1年目の期首
退職給付見込額 50,000円のうち 1年分の10,000円(=50,000円÷5年)について割引計算をする。
10,000円÷1.05の5乗
電卓のキー操作(カシオ)
1・05÷÷10000 |
===== |
電卓のキー操作(シャープ)
10000÷1・05 |
===== |
画面上に7,835.26166466 と表示されていればOKです。四捨五入して
7,835円
が1年目の勤務費用となります。
1年目の期末
7,835円×5%≒392円 1年目の利息費用
7,835円+392円=8,227円 退職給付引当金期末残高です
2年目の期首
退職給付見込額 50,000円のうち 2年分の20,000円(=50,000円÷5年×2年)について考えます。
1年目の分は前年に計算しているので、2年目の10,000円を割引計算します。
10,000円÷1.05の4乗
電卓のキー操作(カシオ)
1・05÷÷10000 |
==== |
電卓のキー操作(シャープ)
10000÷1・05 |
==== |
画面上に8,227.0247479 と表示されていればOKです。四捨五入して
8,227円
が2年目の勤務費用となります。
2年目の期末
(8,227円+8,227円)×5%≒823円 2年目の利息費用
8,227円+8,227円+823円=17,277円 退職給付引当金期末残高
3年目の期首
退職給付見込額 50,000円のうち 3年分の30,000円(=50,000円÷5年×3年)について考えます。
1年目、2年目の分は前年までに計算しているので、3年目の10,000円を割引計算します。
10,000円÷1.05の3乗
電卓のキー操作(カシオ)
1・05÷÷10000 |
=== |
電卓のキー操作(シャープ)
10000÷1・05 |
=== |
画面上に8,638.3759853 と表示されていればOKです。四捨五入して
8,638円
が3年目の勤務費用となります。
3年目の期末
(17,277円+8,638円)×5%≒1,296円 3年目の利息費用
17,277円+8,638円+1,296円=27,211円 退職給付引当金期末残高
4年目の期首
退職給付見込額 50,000円のうち 4年分の40,000円(=50,000円÷5年×4年)について考えます。
3年目までの分は前年までに計算しているので、4年目の10,000円を割引計算します。
10,000円÷1.05の2乗
電卓のキー操作(カシオ)
1・05÷÷10000 |
== |
電卓のキー操作(シャープ)
10000÷1・05 |
== |
画面上に9,070.29478457 と表示されていればOKです。四捨五入して
9,070円
が4年目の勤務費用となります。
4年目の期末
(27,211円+9,070円)×5%≒1,814円 4年目の利息費用
27,211円+9,070円+1,814円=38,095円 退職給付引当金期末残高
5年目の期首
退職給付見込額 50,000円のうち 5年分の50,000円(=50,000円÷5年×5年)について考えます。
4年目までの分は前年までに計算しているので、5年目の10,000円を割引計算します。
10,000円÷1.05
電卓のキー操作(カシオ)
1・05÷÷10000 |
= |
電卓のキー操作(シャープ)
10000÷1・05 |
= |
画面上に9,523.8095238 と表示されていればOKです。四捨五入して
9,524円
が5年目の勤務費用となります。
5年目の期末
(38,095円+9,524円)×5%≒2,381円 5年目の利息費用
38,095円+9,524円+2,381円=50,000円 退職給付引当金期末残高
今回はあくまでも電卓の計算練習用となります。
何度か電卓を打ってみると、退職給付会計の計算の仕方がわかってくると思います。
ぜひやってみてください。
勤務費用と利息費用の関係
ちなみに以上の計算過程をよく見ると
1年目の利息費用 = 1年目の勤務費用×5%
2年目の利息費用 = 2年目の勤務費用×2×5%
3年目の利息費用 = 3年目の勤務費用×3×5%
4年目の利息費用 = 4年目の勤務費用×4×5%
5年目の利息費用 = 5年目の勤務費用×5×5%
という関係になっていることがわかります。
また、退職給付引当金期末残高については
1年目➡勤務費用+利息費用
2年目➡勤務費用×2+利息費用
3年目➡勤務費用×3+利息費用
4年目➡勤務費用×4+利息費用
5年目➡勤務費用×5+利息費用
という関係になっていることがわかります。
確認してみてください。
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