このページでは、2020年12月から開始された日商簿記2級・3級のネット試験についてまとめています。
第157回をあてる TAC直前予想 日商簿記3級と第157回をあてる TAC直前予想 日商簿記2級です。この問題集には、ネット試験の出題傾向、模擬試験問題と解答・解説が掲載されています。
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日商簿記のネット試験は、全国に設置されたテストセンターで随時受験が可能です。ネット試験の概要をまとめました。
ネット試験の概要 | |
---|---|
試験日 | 随時(テストセンターが定めた日) |
試験会場 | テストセンター |
試験時間 | 2級:90分 3級:60分 |
出題形式 | 2級:選択式+入力式5題以内 3級:選択式+入力式3題以内 |
出題範囲 | 出題区分表による(変更なし) |
受験料 | 2級:4,720円(変更なし) 3級:2,850円(変更なし) |
申込方法 | 全国統一申込サイト こちらから空席照会ができます。 →テストセンター空席照会 |
合格発表 | 試験終了後すぐ |
ネット試験を受験するまでの流れは次の通りです。
全国統一申込サイトから、受験会場、受験日時を選択し、受験申し込みを行います。
受験会場については、こちらから空席照会ができます。
→テストセンター空席照会
ネット試験会場には、受験日時の30分~5分前に入場可能となります。
受験時刻に遅刻すると受験ができないので遅れないよう注意しましょう。
ネット試験の持ち物は、本人確認証と電卓です。
試験会場で、A4サイズの計算用紙(白紙)とボールペンが貸し出されます。(試験終了後、回収されます。)
受験者ごとに異なる試験問題がインターネットを介して受験者のパソコンに配信されるので、電卓と計算用紙を使いながら、画面の答案にマウスとキーボードで入力して回答します。
試験終了後、自動採点が行われ、試験結果がすぐに画面に映し出されます。(合格者にはデジタル合格証が即日交付されます。)
管理人は、空席のあった会場で数回ネット試験を受験しました。テストセンターによって若干対応が異なる部分があったため、メモしておきます。
- テストセンターに到着後、受付で名前を伝え、身分証明書を提示します。ここはどの会場も共通していました。
- ロッカーのある会場では、受付後ロッカーに荷物を全てしまい、身分証明書と電卓・会場で渡される用紙(ID・パスワードが記入されたものと下書用紙A4が2枚)・筆記用具(会場で渡されるボールペン)だけを持って、試験会場に入ります。
- ロッカーのない会場では、受付後身分証明書と電卓、用紙・筆記用具以外に上着と荷物も持って、試験会場に入ります。
- ロッカーのある会場の方が、対応がしっかりしている(ちょっと厳しい?)ように感じました。
- 試験はテストセンター試験会場のパソコンを使って受験します。試験で金額を入力する際、3桁ごとにカンマを入れる必要があります。通常はカンマ無しで金額を入力しても、 ENTERキー を押すとカンマが自動入力されるのですが、システムエラーのため自動入力されないケースがあるようです。カンマ無しでは0点になってしまうため、「全角/半角」を切り替えてカンマを手動で入力するなどの工夫が必要です。
- ネット試験では、問題文と解答を入力する箇所がパソコンのモニター画面上に表示されています。そのため、下書用紙にメモを取りながら解答するのは、慣れないうちは手間取りました。
- 下書きはどうしても必要な場合だけにして、画面を見ながらどんどん直接入力していく解き方が良さそうです。
- ちなみに試験時間中、パソコンのモニター画面で常に試験の残り時間がカウントダウンされているので、腕時計も必要ありません(テストセンターでは、腕時計を外すように求められます)。
- 制限時間が過ぎるか、自分で「試験終了」のボタンを押すと試験終了となります。
- 試験終了するとすぐに「合格か不合格・得点」が画面に表示されます。
- 「合格か不合格・得点」が表示されたら、試験結果を印刷してから画面を閉じ試験会場を出ます。
- 受付でプリントされた試験結果を受け取り、試験終了となります。
日商簿記ネット試験の出題傾向と対策
ネット試験の出題傾向と対策をまとめます。
簿記3級ネット試験
簿記3級のネット試験は制限時間60分。出題内容と配点は次の表のようになっています。
問題 | 出題内容 | 配点 |
---|---|---|
第1問 | 仕訳問題15問 | 45点 |
第2問 | 個別問題(勘定記入、補助簿など) | 20点 |
第3問 | 決算問題(財務諸表作成、精算表など) | 35点 |
簿記3級は、大問3問が出題されます。第1問は、仕訳問題が15問、第2問は、個別問題が2問、第3問は、決算問題が1問となっています。
第1問 仕訳問題15問
仕訳問題はこれまで第1問で5問出題されていましたが、大幅に増量され15問となりました。配点も45点と一番大きくなり仕訳問題の重要性が高まっています。
ただし出題される問題の内容は
- 問題文が短い
- テキストの例題レベルの優しいものが多い
という傾向があるので、特別な対策は必要ありません。
配点の大きい第1問の仕訳問題を確実に得点して合格を目指しましょう!
第2問 個別問題(勘定記入、補助簿など)
第2問の個別問題では、これまで第2問と第4問で問われていた問題が出題されます。配点は20点となっています。
出題される問題の内容は
- 勘定記入問題
- 理論問題(該当するもの、該当しないものをプルダウンの選択肢から選ぶ)
となっています。
勘定記入は苦手とする受験生が多く、モニター画面に直接入力しながら回答していくことを考えると、少し解きにくいかもしれません。
また、理論問題は問われている内容が難易度高めです。
第2問は難しいうえに配点も20点と少ないので、第1問→第3問と進んでから戻って来て解いた方がいいでしょう。
第3問 決算問題(財務諸表作成、精算表など)
第3問では、財務諸表作成(貸借対照表、損益計算書)、精算表、決算整理後残高試算表など、今まで第5問で問われていた問題が出題されます。配点が35点と高くなっています。
第1問の仕訳問題は配点45点、第3問の配点は35点。この2問だけで合計80点になります。
第1問と第3問でできる限り得点を積み重ねていくことが、合格するための秘訣です。
ネット試験は、紙の試験と異なり問題用紙に書き込みができません。試験時間が短いので、問題を見たら頭の中で仕訳を考え、モニター画面に直接入力していく方式がいいでしょう。
未処理事項や決算整理事項等の内容は基本的なものが多く、決して難しくありません。第3問を確実に得点して合格を目指しましょう。
簿記3級ネット試験第3問の対策としては、過去問題集第5問がおすすめです。過去問ソックリの問題が出題されるかもしれません。
簿記2級ネット試験
簿記2級のネット試験は制限時間90分。出題内容と配点は次の表のようになっています。
問題 | 出題内容 | 配点 |
---|---|---|
第1問 | 仕訳問題5問 | 20点 |
第2問 | 個別論点(株主資本等変動計算書、連結精算表など) | 20点 |
第3問 | 個別財務諸表(損益計算書の作成など) | 20点 |
第4問 | 1 工業簿記の仕訳問題 2 個別原価計算~標準原価計算 | 28点 |
第5問 | 標準原価計算、直接原価計算など | 12点 |
簿記2級は、大問構成が5問のままで、これまでと変わりません。大問の内訳も、商業簿記3問、工業簿記2問と変わりません。工業簿記に仕訳問題3問が出題されている点がこれまでと違うところになります。
第1問 仕訳問題5問
仕訳問題はこれまでと同じく第1問で5問出題されます。配点も同じ20点となっています。
出題される問題の内容も、今までの日商簿記2級と同様です。
第1問の仕訳問題については、ネット試験だからといって、特別な対策は必要ありません。
第2問 個別論点(株主資本等変動計算書、連結精算表など)
第2問の個別論点では、株主資本等変動計算書や連結精算表などが出題されます。配点は20点となっています。
出題される問題の内容は
- 問題資料が多く、入力が大変
- 連結会計は統一試験よりも易しい素直な内容
という特徴があります。
統一試験の連結会計は、難解な論点が出題され分量も多く、難易度が高いです。それと比べるとネット試験の連結会計は、素直で解きやすい問題になっています。テキストの連結会計の章をしっかり学習すれば、ちゃんと対応できるでしょう。
第3問 個別財務諸表(損益計算書の作成など)
第3問では、個別財務諸表(損益計算書の作成など)が出題されます。配点20点です。
出題される問題の内容は難しくありません。普通に2級を勉強していれば20点満点が狙える問題でした。
第4問 工業簿記の仕訳問題、個別原価計算~標準原価計算
第4問からは工業簿記が出題されます。
第4問1は工業簿記の仕訳問題3問、第4問2は個別原価計算~標準原価計算の範囲の総合問題。配点は28点となっています。
第4問の工業簿記は難易度がそれほど高くありません。テキストの例題レベルです。
ここでしっかり得点を稼いでおきたいところです。
第5問 標準原価計算、直接原価計算など
第5問では、標準原価計算の差異分析、直接原価計算の損益計算書作成問題などが出題されます。配点は12点です。
第4問と同様、こちらも基本的な問題が出題されるので、焦らず確実に得点しておきたい問題です。