第150回日商簿記2級第1問3は事業の譲受けの処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
同業他社の事業の一部を譲り受けることになり、譲渡代金¥450,000を普通預金口座から相手先口座に振り込んだ。この取引により譲り受けた資産の評価額は、商品¥80,000、建物¥180,000、備品¥60,000であり、引き受けた負債はなかった。
目次
解説
事業の一部譲受けより、譲り受けた資産の評価額合計=¥320,000
本問では、評価額¥320,000 の事業に対して譲渡代金¥450,000 を支払って譲り受けているため、差額が生じています。この差額 ¥130,000 はのれん(資産)で処理します。
この取引により譲り受けた資産の評価額は、商品¥80,000、建物¥180,000、備品¥60,000であり、引き受けた負債はなかった。
本問では、事業の一部譲受けで譲り受けた資産を評価額で計上します。引き受けた負債はないので、
資産=借方
に仕訳を行います。
(借) 商 品 80,000
(借) 建 物 180,000
(借) 備 品 60,000
(貸)
(借) 建 物 180,000
(借) 備 品 60,000
(貸)
…譲渡代金¥450,000を普通預金口座から相手先口座に振り込んだ。…
譲渡代金を普通預金口座から相手先口座に振り込んで支払ったので、普通預金を減らします。
普通預金➡資産
資産の減少=貸方
(借)
(貸) 普通預金 450,000
(貸) 普通預金 450,000
のれん
いったんここまでの仕訳をまとめると
(借) 商 品 80,000
(借) 建 物 180,000
(借) 備 品 60,000
(貸) 普通預金 450,000
(借) 差額 130,000
(借) 建 物 180,000
(借) 備 品 60,000
(貸) 普通預金 450,000
(借) 差額 130,000
となり、借方に差額が発生します。借方の差額は「のれん」で処理します。
のれん➡資産
資産の増加=借方
(借) のれん 130,000
(貸)
(貸)
以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(借) 商 品 80,000
(借) 建 物 180,000
(借) 備 品 60,000
(借) のれん 130,000
(貸) 普通預金 450,000
(借) 建 物 180,000
(借) 備 品 60,000
(借) のれん 130,000
(貸) 普通預金 450,000
第150回日商簿記2級第1問
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