第135回日商簿記2級第1問5は剰余金の配当の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
解説
…繰越利益剰余金¥200,000を次のとおり処分することが承認された。 株主配当金:1株につき¥500 ……、発行済株式数は200株である。
株主配当金➡まだ支払われていない➡未払配当金
未払配当金➡負債
負債の増加=貸方
繰越利益剰余金➡純資産
純資産の減少=借方
(貸) 未払配当金 100,000
…新築積立金:¥50,000
新築積立金➡繰越利益剰余金から新築積立金への振替え(繰越利益剰余金を減らして、新築積立金を増やす)
繰越利益剰余金➡純資産
純資産の減少=借方
新築積立金➡純資産
純資産の増加=貸方
(貸) 新築積立金 50,000
…利益準備金:会社法の定める金額 … なお、株主総会時の同社の資本金は¥1,000,000、資本準備金は¥120,000、利益準備金は¥70,000
とりあえず配当した額を10で割る。
¥100,000÷10=¥10,000
また、資本金の4分の1-資本準備金-利益準備金
=¥1,000,000÷4-¥120,000-¥70,000
=¥60,000 ← ¥60,000まで積み立てOKなので、¥10,000積み立て!
利益準備金➡繰越利益剰余金から利益準備金金への振替え(繰越利益剰余金を減らして、利益準備金を増やす)
繰越利益剰余金➡純資産
純資産の減少=借方
利益準備金➡純資産
純資産の増加=貸方
(貸) 利益準備金 10,000
資(4)本金は4で割る
と覚えましょう!
解答
(貸) 未払配当金 100,000
(貸) 新築積立金 50,000
(貸) 利益準備金 10,000
詳しい解説
問題文からキーワードを拾っていくと
「株主配当金:1株につき¥500」と「株主総会時の同社の資本金は¥1,000,000、資本準備金は¥120,000、利益準備金は¥70,000であり、発行済株式数は200株である。」という資料。
まず、株主に配当する金額を求めます。
配当金額=¥100,000(=¥500×200株)
株主配当金は、まだ支払われていないことから未払配当金(負債)とします。
未払配当金➡負債➡負債の増加=貸方
繰越利益剰余金➡純資産➡純資産の減少=借方
(貸) 未払配当金 100,000
また新築積立金を積み立てます。
これは繰越利益剰余金から新築積立金への振替え(繰越利益剰余金を減らして、新築積立金を増やす)です。
新築積立金➡純資産➡純資産の増加=貸方
繰越利益剰余金➡純資産➡純資産の減少=借方
(貸) 新築積立金 50,000
「株主総会時の同社の資本金は¥1,000,000、資本準備金は¥120,000、利益準備金は¥70,000であり、」という資料をもとに利益準備金の積み立て額を求めます。
まずやることは、とりあえず配当した額を10で割ること。
¥100,000÷10=¥10,000
また、資本金の4分の1-資本準備金-利益準備金
=¥1,000,000÷4-¥120,000-¥70,000
=¥60,000 なので、¥60,000まで積み立てOKということになります。よって¥10,000積み立てと決定!
¥10,000だけ繰越利益剰余金から利益準備金金への振替え(繰越利益剰余金を減らして、利益準備金を増やす)を行います。
利益準備金➡純資産➡純資産の増加=貸方
繰越利益剰余金➡純資産➡純資産の減少=借方
(貸) 利益準備金 10,000
資(4)本金は4で割る
でしたね!
ちなみに、資本金や繰越利益剰余金といった純資産の項目は、借入金などの負債と異なり、返済義務がないことが大きな特徴です。
純資産は返済義務がない
ということをポイントとして押さえておきましょう
仕訳を合わせると
解答
(貸) 未払配当金 100,000
(貸) 新築積立金 50,000
(貸) 利益準備金 10,000
となります。
第135回日商簿記2級第1問
問 | 出題論点・解説ページへのリンク |
---|---|
1 | 予約販売 |
2 | 源泉所得税、社会保険料の納付 |
3 | 固定資産の除却 |
4 | 手形の裏書、保証債務の計上 |
5 | 剰余金の配当 |