第135回日商簿記2級第1問3は固定資産の除却の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
O商店は、平成19年4月1日に購入した¥1,000,000の備品を、平成25年度の期首に除却した。この備品については、耐用年数:10年、残存価額ゼロとして、定額法で償却(間接法)をしてきた。この備品の除却時の処分価額は¥250,000と見積もられた。なお、同商店の決算日は年1回、3月31日である。
目次
解説
平成19年4月1日に購入の備品…平成25年度の期首に除却した。耐用年数:10年、残存価額ゼロ、定額法
平成19年から平成25年で6年間償却
備品減価償却累計額=¥1,000,000÷10年×6年=¥600,000
備品➡資産
備品の除却➡資産の減少=貸方
備品減価償却累計額➡資産のマイナスの減少=借方
(借) 備品減価償却累計額 600,000
(貸) 備 品 1,000,000
(貸) 備 品 1,000,000
備品の除却時の処分価額は¥250,000
処分価額➡貯蔵品
貯蔵品➡資産
資産の増加=借方
(借) 備品減価償却累計額 600,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 150,000
(貸) 備 品 1,000,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 150,000
(貸) 備 品 1,000,000
借方に差額発生➡除却損
固定資産除却損➡費用
費用の発生=借方
以上をまとめると、解答の仕訳となります。
解答
(借) 備品減価償却累計額 600,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 固定資産除却損 150,000
(貸) 備 品 1,000,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 固定資産除却損 150,000
(貸) 備 品 1,000,000
詳しい解説
問題文からキーワードを拾っていくと
「平成19年4月1日に購入の備品…平成25年度の期首に除却した。耐用年数:10年、残存価額ゼロ、定額法」がポイントです。
まず期首時点で備品を除却しているため、その時点での減価償却累計額を求めます。平成19年から平成25年で6年間償却のため、
備品減価償却累計額=¥1,000,000÷10年×6年=¥600,000
と求められます。
備品➡資産➡資産の減少=貸方
備品とセットの備品減価償却累計額も同時に減らします。
備品減価償却累計額➡資産のマイナスの減少=借方
(借) 備品減価償却累計額 600,000
(貸) 備 品 1,000,000
(貸) 備 品 1,000,000
です。
備品の除却時の処分価額は¥250,000なので、
処分価額➡貯蔵品➡資産➡貯蔵品の計上➡資産の増加=借方
となります。
また、帳簿価額¥400,000(=¥1,000,000-¥600,000)の備品の価値が¥250,000しかなかったため、差額の¥150,000が固定資産除却損となります。
固定資産除却損➡費用➡費用の発生=借方
(借) 備品減価償却累計額 600,000
(貸) 備 品 1,000,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 固定資産除却損 150,000
(貸) 備 品 1,000,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 固定資産除却損 150,000
となります。
解答は
(借) 備品減価償却累計額 600,000
(貸) 備 品 1,000,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 固定資産除却損 150,000
(貸) 備 品 1,000,000
(借) 貯蔵品 250,000
(借) 固定資産除却損 150,000
となります。
第135回日商簿記2級第1問
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