2020年4月1日に出版された『Let’s Start! 新しい日商簿記2級 商業簿記 テキスト&問題集 2020年度版』(「新しい日商簿記2級 商業簿記」)は、とにかく画期的な簿記本です。
テキストは全ページオールカラーで、ページレイアウトのセンスや色使いがvery good!
最高に美しく読みやすい簿記テキストに仕上がっています。
キャラ化した勘定科目や簡単な場面設定により、とっつきにくい簿記が楽しく学べるので、これから簿記の勉強を始めてみようかな…と思っている方におすすめです。
簿記の基本は仕訳です。
「仕訳を制する者は簿記を制す!」と言われるほど重要なので、検定試験の合格を目指すなら、仕訳は何としても得意にしておきたいところ。
このページでは、「新しい日商簿記2級 商業簿記」STAGE6 テーマ16 本支店会計に登場する仕訳の徹底攻略法をまとめました。
本支店会計に登場する仕訳は以下のとおりです。
- 本支店間の取引
- 本支店合併財務諸表
- 帳簿の締め切り
この「新しい日商簿記2級 商業簿記」に登場する仕訳の中から特に重要な問題を厳選して
- 問題文
- 解答(仕訳)
- この仕訳になる理由
の順で掲載しました。
※仕訳問題は、滝澤 ななみ 先生の許可を得て掲載しています。「この仕訳になる理由」は、当サイトで作成したものです。
問題の下をクリックすると窓が開いて、解答(仕訳)とこの仕訳になる理由が読めるようになっています。
問題文を読んで、どんな仕訳になるのか少し考えてみる➡クリックして解答(仕訳)& この仕訳になる理由を見て答え合わせ……という感じで、テキストを参照しながら使ってみてください。
もし解けない問題があったり、疑問点が生じた場合は、必ず「新しい日商簿記2級 商業簿記」に戻って確認しながら進めてくださいね。
それでは、合格目指してがんばっていきましょう!
本支店会計
本支店間の取引の仕訳
本店の資産等を支店に移送したとき
支店の開設にあたって、本店の資産を支店に移送したときは、本店の資産が減って、支店の資産が増えます。「本店⇔支店」の取引なので、相手科目は、本店では「支店」、支店では「本店」で処理します。
現金 100円 備品 300円
(貸) 現 金 100
(貸) 備 品 300
●「備品」(資産)が減少した➡「備品」は貸方(右側)
●「相手科目 支店」➡「支店」は借方(左側)
現金 100円 備品 300円
(借) 備 品 300
(貸) 本 店 400
●「備品」(資産)が増加した➡「備品」は借方(左側)
●「相手科目 本店」➡「本店」は貸方(右側)
債権・債務を決済したとき
たとえば、支店の買掛金を本店が現金で支払ったときは、本店では現金(資産)が減少し、支店では買掛金(負債)が減少します。「本店⇔支店」の取引なので、相手科目は、本店では「支店」、支店では「本店」で処理します。
(貸) 現 金 100
●「相手科目 支店」➡「支店」は借方(左側)
(貸) 本 店 400
●「相手科目 本店」➡「本店」は貸方(右側)
費用を立替払いしたとき
たとえば、支店が支払うべき手数料を本店が現金で立替払いしたときは、本店では現金(資産)が減少し、支店では支払手数料(費用)を計上します。「本店⇔支店」の取引なので、相手科目は、本店では「支店」、支店では「本店」で処理します。
(貸) 現 金 100
●「相手科目 支店」➡「支店」は借方(左側)
(貸) 本 店 400
●「相手科目 本店」➡「本店」は貸方(右側)
商品を送付払いしたとき
たとえば、本店が支店に商品を送付したときは、本店では仕入(費用)の減少で処理し、支店では仕入(費用)の増加で処理します。「本店⇔支店」の取引なので、相手科目は、本店では「支店」、支店では「本店」で処理します。
(貸) 仕 入 100
●「相手科目 支店」➡「支店」は借方(左側)
(貸) 本 店 100
●「相手科目 本店」➡「本店」は貸方(右側)
支店分散計算制度(支店が複数ある場合の処理)
支店分散計算制度では、各支店は他の支店勘定を設けて、他の支店との取引を処理します。
(貸) 現 金 100
●「相手科目 山梨支店」➡「山梨支店」は借方(左側)
(貸) 埼玉支店 100
●「相手科目 埼玉支店」➡「埼玉支店」は貸方(右側)
本店集中計算制度(支店が複数ある場合の処理)
本店集中計算制度では、各支店には本店勘定のみを設けて、支店間の取引は本店と取引したとみなして処理します。
本店の処理
(貸) 埼玉支店 100
+
(貸)
(貸) 埼玉支店 100
(貸) 現 金 100
埼玉支店は本店に現金100円を送金したとみなして処理します。
(貸) 本 店 100
山梨支店は本店から現金100円の送金を受けたとみなして処理します。
まとめ
以上、「新しい日商簿記2級 商業簿記」STAGE6 テーマ16 本支店会計に登場する仕訳を見てきました。
本支店会計では、本支店間の取引の処理方法がポイントになります。テキストの例題をしっかり抑えておきましょう。このページでは取り上げていませんが、帳簿の締め切りの流れも理解しておいてください。
仕訳の作り方
- その勘定科目が資産・負債・収益・費用・純資産のどれにあたるのか
- 資産・負債・収益・費用・純資産のホームポジションは、借方(左側)・貸方(右側)のどちらか➡資産と費用は借方(左側)、負債と収益と純資産は貸方(右側)
の2つが、仕訳を作るためには必須の知識となります。
もし仕訳の作り方を忘れたら、この2つのポイントに立ち返ってもう一度考えてみてください。
「新しい日商簿記3級」STAGE1のLesson3「仕訳の作り方」に、簿記の一番重要なポイントがよくまとめられています。2級の勉強を始められた方も、途中で何度かここに戻って「仕訳の作り方」を確認しておいてくださいね!