第149回日商簿記2級第1問4は株式の発行について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
新株800株(1株の払込金額は¥280)を発行して増資を行うことになり、払い込まれた800株分の申込証拠金は別段預金に預け入れていたが、株式の払込期日となったので、申込証拠金を資本金に充当し、別段預金を当座預金に預け替えた。なお、資本金には会社法が規定する最低額を組み入れることとする。
目次
解説
新株800株(1株の払込金額は¥280)を発行して増資を行うことになり、払い込まれた800株分の申込証拠金は別段預金に預け入れていたが、株式の払込期日となったので、申込証拠金を資本金に充当し、別段預金を当座預金に預け替えた。なお、資本金には会社法が規定する最低額を組み入れることとする。
問題文の資料より
資本金とすべき金額=¥112,000(¥280×800株÷2)
資本準備金とすべき金額=¥112,000(¥280×800株÷2)
と求められます。
申込証拠金を資本金に充当するということは、資本金と資本準備金を増やすということです。
資本金は純資産なので
資本金➡純資産
会社法で認められている最低額➡資本金と資本準備金で50%ずつ
資本準備金➡純資産
資本金と資本準備金を増やす➡純資産の増加=貸方
(借)
(貸) 資本金 112,000
(貸) 資本準備金 112,000
(貸) 資本金 112,000
(貸) 資本準備金 112,000
となります。
…別段預金を当座預金に預け替えた。…
別段預金については、当座預金に預け替えているため、別段預金を減らし、当座預金を増やします。
別段預金、当座預金➡資産
別段預金から当座預金への預け替え
別段預金を減らす=貸方
当座預金を増やす=借方
(借) 当座預金 224,000
(貸) 別段預金 224,000
(貸) 別段預金 224,000
となります。
…株式の払込期日となったので、申込証拠金を資本金に充当し、…
申込証拠金については、勘定科目群にある「株式申込証拠金」を使って解答します。株式申込証拠金は純資産の科目で、資本金に充当するというこのケースでは株式申込証拠金を減らすと考えて処理します。
株式申込証拠金➡純資産
株式申込証拠金を資本金に充当
純資産の減少=借方
(借) 株式申込証拠金 224,000
(貸)
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 株式申込証拠金 224,000
(貸) 資本金 112,000
(貸) 資本準備金 112,000
(借) 当座預金 224,000
(貸) 別段預金 224,000
(貸) 資本金 112,000
(貸) 資本準備金 112,000
(借) 当座預金 224,000
(貸) 別段預金 224,000
第149回日商簿記2級第1問
問 | 出題論点・解説ページへのリンク |
---|---|
1 | 電子記録債権 |
2 | 有価証券の購入 |
3 | 修繕引当金と修繕費 |
4 | 株式の発行 |
5 | ファイナンス・リース取引 |