第151回日商簿記2級第1問2はその他有価証券の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
決算に際して、長期投資目的で1株当たり¥100 にて取得していたS重工業株式会社の株式10,000株を時価評価(決算時の時価:1株あたり ¥ 120)し、全部純資産直入法を適用した。ただし、法定実効税率30%とする税効果会計を適用する。なお、S重工業株式会社は当社の子会社にも関連会社にも該当しない。
目次
解説
「長期投資目的」➡問題文の勘定科目群から「その他有価証券」をピックアップします。
取得時¥1,000,000(=¥100×10,000株)
決算時¥1,200,000(=¥120×10,000株)
¥1,200,000-¥1,000,000=¥200,000
と評価益が出ているため、その他有価証券を増やします。
決算に際して、長期投資目的で1株当たり¥100 にて取得していたS重工業株式会社の株式10,000株を時価評価(決算時の時価:1株あたり ¥ 120)し
長期投資目的の株式➡その他有価証券
その他有価証券➡資産
評価益が出ているため資産の増加=借方
(貸) その他有価証券 200,000
(貸)
(貸)
…全部純資産直入法を適用した。ただし、法定実効税率30%とする税効果会計を適用する。…
その他有価証券の評価益¥200,000のうち30%分を繰延税金負債に計上します。
繰延税金負債¥60,000(=¥200,000×30%)
繰延税金負債➡負債
負債の増加=貸方
(借)
(貸) 繰延税金負債 60,000
(貸) 繰延税金負債 60,000
その他有価証券の評価益から繰延税金負債分を引いた金額をその他有価証券評価差額金とします。
その他有価証券評価差額金➡本問では評価益
その他有価証券評価差額金(評価益)の増加=貸方
(借)
(貸) その他有価証券評価差額金 140,000
(貸) その他有価証券評価差額金 140,000
以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(借) その他有価証券 200,000
(貸) 繰延税金負債 60,000
(貸) その他有価証券評価差額金 140,000
(貸) 繰延税金負債 60,000
(貸) その他有価証券評価差額金 140,000