第149回日商簿記3級第1問5は固定資産の売却の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
不用になった備品(取得原価¥ 800,000、減価償却累計額¥ 640,000、間接法で記帳)を期首に¥40,000で売却し、代金は月末に受け取ることとした。
目次
解説
不用になった備品(取得原価¥ 800,000、減価償却累計額¥ 640,000、間接法で記帳)を期首に¥40,000で売却し、…
備品を売却します。備品は資産なので、減ったら貸方に仕訳します。
備品➡資産
資産の減少=貸方
(借)
(貸) 備 品 800,000
(貸) 備 品 800,000
備品を減らすと同時に減価償却累計額も減らします。減価償却累計額は固定資産のマイナス(負債)を表すので、減ったら借方に仕訳します。
備品減価償却累計額➡資産のマイナス
資産のマイナスの減少➡負債の減少をイメージ=借方
(借) 備品減価償却累計額 640,000
(貸)
(貸)
…備品…を期首に¥40,000で売却し、代金は月末に受け取ることとした。
備品を売却した代金は¥40,000 です。ただしこの代金は、月末に受け取ることにしました。つまり、固定資産を売却したことによって後でお金を受け取ることができる権利が発生しました。
この後でお金を受け取ることができる権利は未収入金で処理します。売掛金ではないので気をつけましょう。売掛金は商品を売り上げたときに使います。
未収入金➡資産
資産の増加=借方
(借) 未収入金 40,000
(貸)
(貸)
差額を売却損または売却益で計上する。
ここまでの仕訳を書き出してみると
(借) 備品減価償却累計額 640,000
(借) 未収入金 40,000
(借) 差 額 120,000
(貸) 備 品 800,000
(借) 未収入金 40,000
(借) 差 額 120,000
(貸) 備 品 800,000
というようになり、借方に差額 ¥120,000 が生じています。
備品の正味の価値は、¥160,000(=備品¥800,000-備品減価償却累計額¥640,000)。¥160,000のものが¥40,000でしか売れなかったため、差額の¥120,000 は損失となります。
差額➡固定資産売却損
固定資産売却損は費用の科目なので、借方に仕訳をします。
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 備品減価償却累計額 640,000
(借) 未収入金 40,000
(借) 固定資産売却損 120,000
(貸) 備 品 800,000
(借) 未収入金 40,000
(借) 固定資産売却損 120,000
(貸) 備 品 800,000