第148回日商簿記2級第1問5は外貨建取引(為替予約)の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
先日、商品を40,000ドルにて米国の顧客に掛けで売り渡し、適切に処理していたが(取引時の直物為替相場1ドル=¥115)、今後円の為替相場が上昇するリスクに備えて、全額1ドル=¥113にてドルを円に売却する為替予約を締結した。ただし、当該売掛金の円換算額と、為替予約による円換算額との差額はすべて当期の損益として振当処理を行う。
目次
解説
問題文の指示に従いながら、取引を仕訳にしていきます。
商品を40,000ドルにて米国の顧客に掛けで売り渡し…(取引時の直物為替相場1ドル=¥115)、…全額1ドル=¥113にてドルを円に売却する為替予約を締結した。ただし、当該売掛金の円換算額と、為替予約による円換算額との差額はすべて当期の損益として振当処理を行う。
まず、商品40,000ドルを…売り渡し た取引によって生じた売掛金40,000ドルに対して、直物為替相場(1ドル¥115)を乗じて円換算します。
外貨建売掛金:40,000ドル×¥115/ドル=¥4,600,000
次に、先物為替相場(1ドル¥113)を乗じて円換算します。
外貨建売掛金:40,000ドル×¥113/ドル=¥4,520,000
為替予約により外貨建売掛金が、¥4,600,000から¥4,520,000に¥80,000減少しているため売掛金を減らします。
売掛金➡資産
資産の減少=貸方
(借)
(貸) 売掛金 80,000
(貸) 売掛金 80,000
売掛金の減少分を為替差損益に計上します。
売掛金の減少➡為替差損
費用の発生=借方
(借) 為替差損益 80,000
(貸)
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 為替差損益 80,000
(貸) 売掛金 80,000
(貸) 売掛金 80,000
第148回日商簿記2級第1問
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