第143回日商簿記2級第1問4は剰余金の配当について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
定時株主総会を開催し、繰越利益剰余金¥700,000の処分を次のとおり決定した。なお、資本金は¥16,000,000、資本準備金は¥2,400,000、利益準備金は¥1,560,000であり、発行済株式数は1,500株である。
株主配当金:1株につき¥360 利益準備金:会社法が定める金額 別途積立金:¥100,000
株主配当金:1株につき¥360 利益準備金:会社法が定める金額 別途積立金:¥100,000
目次
解説
…発行済株式数は1,500株である。
株主配当金:1株につき¥360
¥360×1,500株=¥540,000
株主配当金➡まだ支払われていない➡未払配当金
未払配当金➡負債
負債の増加=貸方
繰越利益剰余金➡純資産
純資産の減少=借方
(借) 繰越利益剰余金 540,000
(貸) 未払配当金 540,000
(貸) 未払配当金 540,000
…別途積立金:¥100,000
別途積立金➡繰越利益剰余金から別途積立金への振替え(繰越利益剰余金を減らして、別途積立金を増やす)
繰越利益剰余金➡純資産
純資産の減少=借方
別途積立金➡純資産
純資産の増加=貸方
(借) 繰越利益剰余金 100,000
(貸) 別途積立金 100,000
(貸) 別途積立金 100,000
…なお、資本金は¥16,000,000、資本準備金は¥2,400,000、利益準備金は¥1,560,000であり、…
利益準備金:会社法が定める金額
とりあえず配当した額を10で割る。
¥540,000÷10=¥54,000
また、資本金の4分の1-資本準備金-利益準備金
=¥16,000,000÷4-¥2,400,000-¥1,560,000
=¥40,000
積立限度額は小さい方なので、¥40,000
利益準備金➡繰越利益剰余金から利益準備金金への振替え(繰越利益剰余金を減らして、利益準備金を増やす)
繰越利益剰余金➡純資産
純資産の減少=借方
利益準備金➡純資産
純資産の増加=貸方
(借) 繰越利益剰余金 40,000
(貸) 利益準備金 40,000
(貸) 利益準備金 40,000
資(4)本金は4で割る
と覚えましょう!
以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(借) 繰越利益剰余金 680,000
(貸) 未払配当金 540,000
(貸) 別途積立金 100,000
(貸) 利益準備金 40,000
(貸) 未払配当金 540,000
(貸) 別途積立金 100,000
(貸) 利益準備金 40,000
ワンポイント
資本金や繰越利益剰余金といった純資産の項目は、借入金などの負債と異なり、返済義務がないことが大きな特徴です。
純資産は返済義務がない
ということをポイントとして押さえておきましょう。
第143回日商簿記2級第1問
問 | 出題論点・解説ページへのリンク |
---|---|
1 | 有価証券の購入、端数利息の処理 |
2 | 商品保証引当金 |
3 | 会社設立時の株式の発行 |
4 | 剰余金の配当 |
5 | 消費税 |