第141回日商簿記2級第1問2は建設仮勘定の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
工場の増設工事(工事代金¥385,000は4回分割で小切手により支払済み)が完成し、固定資産等の勘定に振替計上を行った。工事の明細は、建物¥200,000、構築物¥100,000、修繕費¥50,000、共通工事費¥35,000であり、共通工事費は各勘定の金額費で配賦することとした。
目次
解説
本問は見慣れない問題なので問題文の指示に忠実に従って解いていきましょう。工事代金¥385,000を4回分割で小切手により支払済みとあることから現在の勘定残高は
(借方) 建設仮勘定 385,000
(貸方) 当座預金 385,000
(貸方) 当座預金 385,000
という状態であると考えられます。本問は増設工事が完成した場面なので、借方残高の「建設仮勘定」を各科目に振り替えていけばよいということになります。
固定資産等の勘定に振替計上を行った。工事の明細は、建物¥200,000、構築物¥100,000、修繕費¥50,000…
建設仮勘定から建物¥200,000、構築物¥100,000、修繕費¥50,000を各科目に振替えます。建設仮勘定を減らして、各固定資産等の勘定を増やすという処理を行うことになります。
建設仮勘定➡資産
建設仮勘定から振替え➡資産の減少=貸方
(借)
(貸) 建設仮勘定 350,000
(貸) 建設仮勘定 350,000
建物、構築物、修繕費を計上します。
建物、構築物➡資産
資産の増加=借方
修繕費➡費用
費用の発生=借方
(借) 建 物 200,000
(借) 構築物 100,000
(借) 修繕費 50,000
(貸)
(借) 構築物 100,000
(借) 修繕費 50,000
(貸)
…共通工事費¥35,000であり、共通工事費は各勘定の金額費で配賦することとした。
共通工事費¥35,000 分の建設仮勘定を振り替えます。建設仮勘定を減らす処理を行います。
建設仮勘定➡資産
建設仮勘定から振替え➡資産の減少=貸方
(借)
(貸) 建設仮勘定 35,000
(貸) 建設仮勘定 35,000
問題文の指示に従い、共通工事費を建物、構築物、修繕費に配賦します。4:2:1の比で配賦するので、建物¥20,000、構築物¥10,000、修繕費¥5,000となります。
建物、構築物➡資産
資産の増加=借方
修繕費➡費用
費用の発生=借方
(借) 建 物 20,000
(借) 構築物 10,000
(借) 修繕費 5,000
(貸)
(借) 構築物 10,000
(借) 修繕費 5,000
(貸)
以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(借) 建 物 220,000
(借) 構築物 110,000
(借) 修繕費 55,000
(貸) 建設仮勘定 385,000
(借) 構築物 110,000
(借) 修繕費 55,000
(貸) 建設仮勘定 385,000
第141回日商簿記2級第1問
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