第138回簿記2級第4問は工業簿記から仕訳問題が出題されました。
仕訳問題の2問目は製造間接費の予定配賦です。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような仕訳になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
各製造指図書(機械稼働時間 #1が420時間、#2が610時間、#3が380時間)に対して当月分の製造間接費を予定配賦する。なお、製造間接費の配賦基準は機械稼働時間である。製造間接費の計算については公式法変動予算を採用しており、変動費 280円/時間、年間固定費 8,100,000円、年間予定機械稼働時間 18,000時間である。
目次
解説
予定配賦率の計算
製造間接費の予定配賦の問題では、まず初めに予定配賦率を求めます。予定配賦率は年間の製造間接費予算を年間の予定機械稼働時間(機械稼働時間が配賦基準の場合)で割ることによって求められます。
固定費率=年間固定費 8,100,000円÷年間予定機械稼働時間 18,000時間=450円/時間
予定配賦率=変動費率 280円/時間+固定費率 450円/時間=730円/時間
予定配賦率=変動費率 280円/時間+固定費率 450円/時間=730円/時間
予定配賦率は 730円/時間と求められました。
次に予定配賦率に機械稼働時間をかけて配賦額を求めます。
予定配賦率730円/時間に実際機械稼働時間をかけて予定配賦額を求めます。
#1 730円/時間×420時間=306,600円
#2 730円/時間×610時間=445,300円
#3 730円/時間×380時間=277,400円
306,600円+445,300円+277,400円=1,029,300円
予定配賦額の合計 1,029,300円をもとに仕訳を行います。
仕訳
「各製造指図書(…)に対して…製造間接費を予定配賦する」とは、製造間接費を仕掛品に振り替えるということを意味します。
製造間接費を仕掛品に振り替えるとは、製造間接費を減らしてその分仕掛品を増やすということです。
「仕掛品」は資産で、資産を増やすので借方です。
仕掛品➡資産
資産の増加=借方
(借) 仕掛品 1,029,300
(貸)
(貸)
また、「各製造指図書(…)に対して…製造間接費を予定配賦する」は、製造間接費を消費する・製造間接費を減らすと同じです。
製造間接費➡費用
製造間接費を予定配賦する➡製造間接費を消費する➡費用の減少=貸方
🙂 予定は貸方と覚えましょう
製造間接費を予定配賦する➡貸方 製造間接費
(借)
(貸) 製造間接費 1,029,300
(貸) 製造間接費 1,029,300
以上の2つを合わせると解答の仕訳となります。
解答
(借) 仕掛品 1,029,300
(貸) 製造間接費 1,029,300
(貸) 製造間接費 1,029,300