第137回日商簿記2級第1問1は本支店会計の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
M株式会社の本店は、S支店がY支店の広告宣伝費¥1,000を立替払いしたとの報告を受け、この報告に基づいて処理を行った。なお、同社は本店集中計算制度を採用している。
目次
解説
S支店がY支店の広告宣伝費¥1,000を立替払いした…本店集中計算制度
S支店の仕訳
(借) 本 店 1,000
(貸) 現 金 1,000
本店の処理
(借)
(貸) S支店 1,000
(貸) S支店 1,000
S支店がY支店の広告宣伝費¥1,000を立替払いした…本店集中計算制度
Y支店の仕訳
(借) 広告宣伝費 1,000
(貸) 本 店 1,000
本店の処理
(借) Y支店 1,000
(貸)
(貸)
解答(借方と貸方を合わせます)
本店の処理
(借) Y支店 1,000
(貸) S支店 1,000
(貸) S支店 1,000
詳しい解説
問題文からキーワードを拾っていくと
「本支店会計」で支店が2つある場合の会計処理が問われていることがわかります。
S支店がY支店の広告宣伝費を立替払いしていますが、頭の中だけで考えようとすると、混乱して訳がわからなくなってしまいますので、必ず図や仕訳を書き出して手を動かしながら考えるようにしましょう。
もし、支店がない会社が広告宣伝費を支払ったとすると、
広告宣伝費➡費用の発生=借方
現金などでの支払い➡資産の減少=貸方
(借) 広告宣伝費 1,000
(貸) 現金など 1,000
(貸) 現金など 1,000
という仕訳になるはずです。
これを頼りに本問の仕訳を考えると、S支店は実際に支払いを行っているので、
S支店の仕訳
現金などでの支払い➡資産の減少=貸方
(借)
(貸) 現金など 1,000
(貸) 現金など 1,000
借方は、本店集中計算制度なので、「本店」が入ります。
(借) 本 店 1,000
(貸) 現金など 1,000
(貸) 現金など 1,000
次にY支店を考えると、発生したのはY支店の広告宣伝費なので、
Y支店の仕訳
広告宣伝費の発生➡費用の発生=借方
(借) 広告宣伝費 1,000
(貸)
(貸)
貸方は、本店集中計算制度なので、「本店」が入ります。
(借) 広告宣伝費 1,000
(貸) 本 店 1,000
(貸) 本 店 1,000
ここまで書き出してようやく本店の仕訳へと移ります。
S支店の仕訳は
(借) 本 店 1,000
(貸) 現金など 1,000
(貸) 現金など 1,000
でした。
本店はこのS支店の仕訳に対応するように
(借)
(貸) S支店 1,000
(貸) S支店 1,000
とします。
また、同様にY支店の
(借) 広告宣伝費 1,000
(貸) 本 店 1,000
(貸) 本 店 1,000
の仕訳に対応するように
(借) Y支店 1,000
(貸) S支店 1,000
(貸) S支店 1,000
と仕訳を行います。
解答
結局一番最後の
(借) Y支店 1,000
(貸) S支店 1,000
(貸) S支店 1,000
が解答となります。
第137回日商簿記2級第1問
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