第131回簿記2級第4問は工業簿記から仕訳問題が出題されました。
本試験問題は本社工場会計からの出題でしたが改題しました。
仕訳問題の4問目は予算差異と操業度差異についてです。
どのような仕訳になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
直接作業時間(780時間)を配賦基準として製造間接費を各製造指図書に予定配賦した。なお、当工場の年間の製造間接費変動予算は、46,080,000円(うち変動費 21,120,000円)、年間の予定総直接作業時間は9,600時間である。
目次
解説
予定配賦率の計算
製造間接費の予定配賦の問題では、まず初めに予定配賦率を求めます。予定配賦率は年間の製造間接費予算を年間の予定総直接作業時間(直接作業時間が配賦基準の場合)で割ることによって求められます。
予定配賦率
=46,080,000円÷9,600時間
=4,800円/時間
=46,080,000円÷9,600時間
=4,800円/時間
予定配賦率は 4,800円/時間と求められました。
次に予定配賦率に直接作業時間をかけて配賦額を求めます。
4,800円/時間×780時間
=3,744,000円
仕訳
「製造間接費を各製造指図書に予定配賦する」とは、製造間接費を仕掛品に振り替えて仕掛品を計上するということを意味します。
「仕掛品」は資産なので、仕掛品を計上するということは資産を増やします。
仕掛品➡資産
資産の増加=借方
(借) 仕掛品 3,744,000
(貸)
(貸)
また、「製造間接費を各製造指図書に予定配賦する」とは、製造間接費を消費すると同じです。
製造間接費➡費用
製造間接費を予定配賦する➡製造間接費を消費する➡費用の減少=貸方
🙂 予定は貸方と覚えましょう
製造間接費を予定配賦する➡貸方 製造間接費
(借)
(貸) 製造間接費 3,744,000
(貸) 製造間接費 3,744,000
上の2つを合わせると解答の仕訳となります。
解答
(借) 仕掛品 3,744,000
(貸) 製造間接費 3,744,000
(貸) 製造間接費 3,744,000