第125回簿記2級第4問は工業簿記から仕訳問題が出題されました。
仕訳問題の4問目は賃金・給料の消費、間接労務費です。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような仕訳になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
当月の間接工による労務費の消費高を計上する。間接工について、前月賃金未払高 180,000円、当月賃金支払高 980,000円、当月賃金未払高 200,000円であった。
目次
解説
間接工による労務費の消費高を計算します。
当月を足して前月を引く
当月賃金支払高 980,000円については(現金で支払ったと仮定すると)、「賃金・給料」という費用が発生したと考え
賃金・給料➡費用
費用が発生=借方
(借) 賃金・給料 980,000
(貸) 現 金 980,000
(貸) 現 金 980,000
となります。
当月賃金未払高 200,000円については、当月計上すべき「賃金・給料」がまだ計上されていないため
賃金・給料➡費用
費用が発生=借方
(借) 賃金・給料 200,000
(貸) 未払賃金・給料 200,000
(貸) 未払賃金・給料 200,000
と費用の見越し計上をします。
前月賃金未払高 180,000円については、前月末時点で見越し計上されていた「賃金・給料」の再振替仕訳(見越し計上の逆仕訳)をするため
賃金・給料➡費用
費用の減少=貸方
(借) 未払賃金・給料 180,000
(貸) 賃金・給料 180,000
(貸) 賃金・給料 180,000
と仕訳します。
この会計処理の結果、「賃金・給料」に注目すると
(借) 賃金・給料 980,000
(借) 賃金・給料 200,000
(貸) 賃金・給料 180,000
(借) 賃金・給料 200,000
(貸) 賃金・給料 180,000
となり「賃金・給料」は費用なので借方で増えて貸方で減るため
980,000+200,000
-180,000
= 1,000,000円 ➡ 要支払額
-180,000
= 1,000,000円 ➡ 要支払額
と計算することによって、残高が1,000,000円と求められます。
要支払額=間接工の消費賃金
この 1,000,000円のことを要支払額といいます。この要支払額を間接工の消費賃金とします。
この要支払額の求め方を一言でいえば
当月を足してから前月を引く
となります。
つまり
当月賃金支払高 980,000円➡当月分なので足す。
当月賃金未払高200,000円➡まだ支払われていないが、当月分の賃金(費用)なので足す。
前月賃金未払高 180,000円➡前月分の賃金(費用)なので、引く。
当月賃金未払高200,000円➡まだ支払われていないが、当月分の賃金(費用)なので足す。
前月賃金未払高 180,000円➡前月分の賃金(費用)なので、引く。
とまとめられます。この計算の仕方をしっかり覚えておきましょう。
消費賃金の仕訳
仕訳は次のようになります。
間接工の「賃金・給料」を消費したということで、費用が減ったと考えます。
賃金・給料➡費用
費用の減少=貸方
(借)
(貸) 賃金・給料 1,000,000
(貸) 賃金・給料 1,000,000
間接工の労務費は間接労務費なので、「製造間接費」で仕訳をします。
製造間接費は「費」がつくので費用です。
製造間接費➡費用
費用が増加=借方
(借) 製造間接費 1,000,000
(貸)
(貸)
上の2つを合わせた仕訳が解答となります。
解答
(借) 製造間接費 1,000,000
(貸) 賃金・給料 1,000,000
(貸) 賃金・給料 1,000,000