第140回日商簿記2級試験の出題予想です。
なぜ出題予想をするのかというと、簿記の学習範囲は広いので忙しい社会人受験生の方が試験範囲をすべて網羅して勉強しようとするのは大変だからです。
そもそも、2回続けて受験される方もいる簿記検定試験では、同じ論点が2回連続で出題されることはあまりありません。
そのため前回試験で出題された論点は出題予想から外して考えることができます。
また、前回試験より前の試験の出題傾向を眺めてみることで、最近の試験委員が好きな「出題されそうな論点」を予想することができます。
そこで試験勉強を効率よくすすめるためには
- 出題が予想される論点に勉強範囲を絞る
- 出題が予想される論点の問題を繰り返し解く
というようにして出題が予想される論点を中心に勉強することが効果的です。
予想論点を繰り返し勉強してできるようになってくると、これが出れば合格できるという自信につながります。
自分に自信がついてくると不思議と勉強をやる気も湧いてきます。
こうして勉強のやる気が湧いてきた状態で、次は出題予想以外の範囲に進み、一つずつ攻略していけばいいのです。
第1問
最近の出題実績
第1問は毎回仕訳問題が出題されています。
最近の出題実績をもとに第140回試験の出題論点を予想しました。
出題予想
論点 | |
---|---|
1 | 固定資産の買換 |
2 | 株式の発行、創立費 |
3 | 剰余金の配当 |
4 | 有価証券の売却(移動平均法) |
5 | 銀行勘定調整表・当座預金の修正 |
第2問
最近の出題実績
回数 | 問題文資料 | 解答形式 |
---|---|---|
128 | 伝票(推定) | 仕訳日計表 |
129 | 特殊仕訳帳 | 残高試算表 |
130 | 伝票 | 仕訳日計表 元帳 |
131 | 特殊仕訳帳 | 試算表 |
132 | 特殊商品売買 | 勘定記入 |
133 | 伝票(推定) | 仕訳日計表 元帳 |
134 | 当座預金出納帳・ 現金実査 |
銀行勘定調整表 仕訳 |
135 | 減価償却 | 勘定記入 |
136 | 伝票(推定) | 仕訳日計表 元帳 |
137 | 当座預金 | 銀行勘定調整表 |
138 | 株主資本等変動計算書 | 株主資本等変動計算書 |
139 | 固定資産の減価償却等 | 勘定記入等 |
140 | ― | ― |
第2問は、問題文資料に伝票を並べた図を示し答案用紙の仕訳日計表を作成させる形式か、最近では銀行勘定調整表を作成させる形式の問題の出題が続いています。
平成28年度から日商簿記検定の試験出題範囲が変更されることが発表されています(平成28年度(2016年度)から日商簿記検定の試験出題範囲が変更されます)が、今回はこの影響が一番少ない回なので従来通りの出題傾向になるとも考えられます。
そこで出題頻度が多いにも関わらず最近は出題されていない伝票(推定)→仕訳日計表の問題が出題される可能性が高いと予想します。
出題予想
問題文資料 伝票(推定)
解答形式 仕訳日計表 元帳
対策問題
- 136回第2問
- 133回第2問
- 130回第2問
が解けるようにしておきましょう。
この3問のうちいちばんやさしいのは推定のない130回第2問なので、それを解いてから136回第2問、133回第2問も解いてみるのがいいと思います。
第3問
最近の出題実績
回数 | 問題文資料 | 解答形式 |
---|---|---|
128 | 決算整理事項等 | 精算表 |
129 | 前T/B | 損益計算書 |
130 | 本店・支店の前T/B | 合併P/L、合併B/S |
131 | 決算整理事項等 | 損益計算書 |
132 | 決算整理事項等 | 精算表 |
133 | 本店・支店の前T/B | 合併P/L等 |
134 | 決算整理事項等 | 精算表 |
135 | 決算整理事項等 | 精算表 |
136 | 本店・支店の前T/B | 合併P/L |
137 | 前T/B | 損益計算書 |
138 | 前T/B | 貸借対照表 |
139 | 前T/B | 貸借対照表 |
140 | ― | ― |
最近の出題は精算表が4回、損益計算書が3回、合併P/L(合併B/S)が3回、貸借対照表が2回となっています。
前回は138回と同じ貸借対照表が出題され、貸借対照表が2回続いたので少し驚きました。
今回は平成28年度からの日商簿記検定の試験出題範囲の変更(平成28年度(2016年度)から日商簿記検定の試験出題範囲が変更されます)の影響が一番少ない回なので従来通りの出題傾向になるとも考えられます。
そこで本支店会計の出題は3回に1回のペースにも関わらずまだ出題されていないので、今回は本支店会計が出題される可能性が高いと思います。
出題予想
問題文資料 本店・支店の前T/B
解答形式 合併P/L、合併B/S
対策問題
- 130回第3問
- 133回第3問
- 136回第3問
を優先し繰り返し解いておくのが効果的です。
第4問
最近の出題実績
回数 | 問題文資料 | 解答形式 |
---|---|---|
128 | 個別原価計算 | 原価計算表 |
129 | 部門別計算 | 配賦表 |
130 | 工程別総合原価計算 | 勘定記入 |
131 | 本社工場会計 | 工場での仕訳 |
132 | 費目別計算 | 仕訳 |
133 | 本社工場会計 | 仕訳 |
134 | 費目別計算 | 製造原価報告書とP/L |
135 | 部門別計算 | 勘定記入、配賦表 |
136 | 費目別計算 | 仕訳 |
137 | 費目別計算 | 製造原価報告書等 |
138 | 個別原価計算 | 仕訳 |
139 | 部門別計算 | 勘定記入、配賦表 |
140 | ― | ― |
第4問では、原価を分類し集計するタイプの問題がよく出題されており、解答形式としては仕訳を問うものが多くなっています。(129回でも一部仕訳を聞いています。)
前回139回試験では部門別計算が問われたので、今回は仕訳問題の出題を予想します。
出題予想
出題論点費目別計算
解答形式仕訳
対策問題
以上の検討を踏まえると、
- 132回第4問
- 136回第4問
を解いておくと対策として有効です。
ただ、第4問は試験委員の先生次第で他にも本社工場会計や部門別計算が出題されてもおかしくない状況です。
余裕がある方は、
- 131回第4問
- 133回第4問
- 129回第4問
- 135回第4問
まで解いておくと安心です。
2級合格に向けて、工業簿記は得点源にしておきたいところです。
食わず嫌いなだけでやってみると意外に簡単な箇所も多いので、なんとかがんばってみましょう。
第5問
最近の出題実績
回数 | 問題文資料 | 解答形式 |
---|---|---|
128 | 等級別総合原価計算 | 単位原価等 |
129 | 組別総合原価計算 | 総合原価計算表 |
130 | 単純総合原価計算 | 総合原価計算表 |
131 | 工程別総合原価計算 | 総合原価計算表 |
132 | 全部原価計算と直接原価計算 | 貢献利益等 |
133 | 実際個別原価計算 | 勘定記入 |
134 | 全部原価計算と直接原価計算の比較 | 文章穴埋め |
135 | 標準原価計算 | 差異分析等 |
136 | 全部原価計算と直接原価計算の比較 | 損益計算書 |
137 | 組別総合原価計算 | 総合原価計算表 |
138 | 単純総合原価計算 | 総合原価計算表 |
139 | 直接原価計算(CVP) | 損益計算書 |
140 | ― | ― |
第5問では、全部原価計算と直接原価計算の違いを問う問題か総合原価計算が交互に出題されている状況です。
前回は直接原価計算(CVP分析)が出題されましたので、今回は総合原価計算、特に最近出題されていない等級別総合原価計算の出題を予想します。
また標準原価計算の出題も考えられます。標準原価計算問題の対策としては135回の問題を解けるようにしておきましょう。
出題予想
出題論点 等級別総合原価計算
解答形式 単位原価等
対策問題
以上の検討を踏まえると、
- 128回第5問
を優先し繰り返し解いておくのが効果的です。
余裕がある方は、
- 129回第5問
- 130回第5問
- 131回第5問
- 137回第5問
- 138回第5問
も解いておきましょう。
第4問と同じく2級合格に向けて工業簿記第5問も得点源にしておきたいところです。
がんばって問題を解いてみましょう。