日商簿記検定試験は毎回少しずつ出題傾向が変化しているので、最新の試験傾向に合わせた対策をしておくと合格が近づきます。
でも試験に出題された問題を分析して、予想を立てて取り組む作業は、受験生にとっては大きな負担。そんなときにぴったりの書籍がTAC出版から出ている「無敵の簿記」です。
「無敵の簿記」なんて正直ネーミングがちょっとどうなのと個人的には思うのですが、名前の印象とは異なり、中身はまっとうな本です。
まだ知名度がそれほど高くないと思うので、その中身をレビューしてみたいと思います。
ちなみにこの「無敵の簿記」2級の定価は 1296円。無料の会員登録をしてTAC出版のサイトから購入すると、1冊でも10%引きで購入することができるのでおすすめです。
「無敵の簿記2級 第142回直前総まとめ」を徹底分析
TACからは簿記検定試験の直前対策本として「第142回をあてるTAC直前予想 日商簿記2級」も出ています。これは予想問題集なので、本試験さながらの問題演習をすることができますが、論点の網羅性には欠けています。
もしこの予想問題に頼りきりになってしまうと、本試験の問題が予想通り出題されれば高得点が望めますが、もし外れたら悲惨な結果になりかねません。
そこで「無敵の簿記」です。
どんな試験でも、予想やヤマ当てに走るのではなく、試験範囲をくまなく網羅的に勉強している人は、予想が外れたり多少問題がひねられても、試験で動じず実力を発揮することができるので強いです。
この「無敵の簿記」は、第1問、第2問…と問題ごとに試験直前期の勉強の仕方が示されており、いわば問題の特性ごとに網羅的に総復習ができるすぐれもの。
「本試験レベルの問題の解き方がいまいちわからない」という方は、ぜひ使ってみるといいでしょう。
別冊付録があるよ
例によって、無敵の簿記にも別冊付録が付いています。
青い表紙のネコの手BOOKと、袋とじの2大特別企画。この本が手元に届いたら必ず別冊を取り外し、袋とじを開けておくようにしましょう。
別冊のネコの手BOOK。
本試験前の過ごし方&持ち物、試験前に必ず確認すべき簿記2級のキホン、直前暗記カード、総仕上げ用の「一発的中予想問題」が含まれています。
本体の特集は出題区分の改定について
肝心の無敵の簿記の本体ですが、「出題区分大幅改定直前 第142回検定はラストチャンス」と題して、出題区分の改定の内容と試験への影響がまとめられています。
142回検定試験は改定の影響が直接的にはないので、軽く読んでふーんと確認しておけば十分です。
第1問仕訳問題対策
24ページから、「さよなら論点対応済 出た順マスター」が始まります。第1問、第2問…と問題ごとに問題の解き方など対策がまとめられていて、非常に役に立つ内容となっています。
戦う前の心がけ
第1問は仕訳問題。
100%出題される仕訳問題を戦う前の心がけは「勘定科目を書くことに慣れておくこと」。
答えは分かるけど漢字が思い出せない(勘定科目群にヒントがありますが…)なんてことにならないようにしておきましょう。
戦略Point
日商簿記検定109回から141回までに出題された165問を分析し、重要仕訳をなんと57パターンにまとめてくれています。この57仕訳をマスターすれば本試験でも怖いものはありません。
重要仕訳ランキングには必ず目を通しておきましょう。
重要仕訳ランキング57
戦術Point
試験本番は時間に追われます。
簡単な問題から解き、わからない問題は飛ばして先に進む
これが試験に合格するための正しい戦術です。
28ページから始まる重要仕訳ランキングBEST57では、57個の仕訳の問題と解答・解説がまとめられています。試験にはこの57の仕訳から必ず出題されます。繰り返し読んで、答えを覚えてしまうくらいやっておきましょう。
第2問~第5問対策
第1問の仕訳問題対策と同様、第2問以降も問題の出題傾向や出題形式ごとに解き方がわかりやすく解説されています。ボリュームが多く、全部やるのは大変なので、自分の苦手なところを中心に書きこみながら問題を解いておくといいでしょう。
おすすめは工業簿記の第4問対策と第5問対策です。
ネコの手BOOKにあった一発的中予想問題の解答・解説が掲載されています。時間がない方は、第1問の仕訳問題だけでもやっておくといいと思います。
まとめ
まだあまり知られていないと思われる「無敵の簿記」ですが、試験直前期の対策本として非常に充実した内容でした。この本をバリバリ使って、あっさり合格してしまいましょう。
無敵の簿記の詳細はこちら
▶TAC出版サイト