第151回日商簿記2級第1問5は有形固定資産の売却の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
解説
定率法償却率
売却年度の減価償却費を求めるため、まず定率法償却率を求めます。
定率法償却率は定額法償却率に200%をかけた値です。
定額法償却率 1÷10年=0.1
定率法償却率 0.1×200%=0.2
売却年度の期首減価償却累計額
減価償却費
平成26年度:¥1,200,000×0.2=¥240,000
平成27年度:(¥1,200,000-¥240,000)×0.2=¥192,000
平成28年度:(¥1,200,000-¥240,000-¥192,000)×0.2=¥153,600
平成29年度:(¥1,200,000-¥240,000-¥192,000-¥153,600)×0.2=¥122,880
期首減価償却累計額:¥240,000+¥192,000+¥153,600+¥122,880=¥708,480
売却年度の減価償却費
(¥1,200,000-¥708,480)×0.2÷12か月×9か月=¥73,728
売却時点の減価償却累計額:¥708,480+¥73,728=¥782,208
…備品(耐用年数 10年)を…売却し、代金は相手先振出の約束手形を受け取った。…
売却年度の減価償却費を計上します。
減価償却費➡費用
費用の発生=借方
減価償却累計額➡資産のマイナス
資産のマイナスの増加=貸方
(貸) 備品減価償却累計額 73,728
次に備品の売却です。備品は資産なので減ったら貸方に記入します。
備品➡資産
資産の減少=貸方
(貸) 備 品 1,200,000
備品と対になる期首減価償却累計額は借方に記入します。
減価償却累計額➡資産のマイナス
資産のマイナスの減少=借方
(貸)
備品売却時に受け取った受取手形は営業外受取手形で処理します。
営業外受取手形➡資産
資産の増加=借方
(貸)
売却益または売却損
ここまでをまとめると
(貸) 備品減価償却累計額 73,728
(借) 備品減価償却累計額 782,208
(貸) 備 品 1,200,000
(借) 営業外受取手形 238,000
(借) 差額 179,792
です。借方に生じている差額は固定資産売却損となります。以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(貸) 備品減価償却累計額 73,728
(借) 備品減価償却累計額 782,208
(貸) 備 品 1,200,000
(借) 営業外受取手形 238,000
(借) 固定資産売却損 179,792
備品減価償却累計額を相殺した次の仕訳でも正解となります。
(借) 備品減価償却累計額 708,480
(貸) 備 品 1,200,000
(借) 営業外受取手形 238,000
(借) 固定資産売却損 179,792