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第151回 日商簿記2級 第1問 5 【固定資産の売却】

第151回日商簿記2級第1問5は有形固定資産の売却の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。

問題

平成26年4月1日に ¥ 1,200,000 で取得した備品(耐用年数 10年)を、平成30年12月31日に¥238,000 で売却し、代金は相手先振出の約束手形を受け取った。当社の決算日は 3月末日であり、減価償却は 200%定率法、記帳を間接法によっている。売却した年度の減価償却費は月割計算で算定すること。
目次

解説

定率法償却率

売却年度の減価償却費を求めるため、まず定率法償却率を求めます。

定率法償却率は定額法償却率に200%をかけた値です。

定額法償却率 1÷10年=0.1

定率法償却率 0.1×200%=0.2

売却年度の期首減価償却累計額

減価償却費

平成26年度:¥1,200,000×0.2=¥240,000

平成27年度:(¥1,200,000-¥240,000)×0.2=¥192,000

平成28年度:(¥1,200,000-¥240,000-¥192,000)×0.2=¥153,600

平成29年度:(¥1,200,000-¥240,000-¥192,000-¥153,600)×0.2=¥122,880

期首減価償却累計額:¥240,000+¥192,000+¥153,600+¥122,880=¥708,480

売却年度の減価償却費

(¥1,200,000-¥708,480)×0.2÷12か月×9か月=¥73,728

売却時点の減価償却累計額:¥708,480+¥73,728=¥782,208

…備品(耐用年数 10年)を…売却し、代金は相手先振出の約束手形を受け取った。…

売却年度の減価償却費を計上します。

減価償却費➡費用

費用の発生=借方

減価償却累計額➡資産のマイナス

資産のマイナスの増加=貸方

(借) 減価償却費 73,728
(貸) 備品減価償却累計額 73,728

次に備品の売却です。備品は資産なので減ったら貸方に記入します。

備品➡資産

資産の減少=貸方

(借)
(貸) 備 品 1,200,000

備品と対になる期首減価償却累計額は借方に記入します。

減価償却累計額➡資産のマイナス

資産のマイナスの減少=借方

(借) 備品減価償却累計額 782,208
(貸)

備品売却時に受け取った受取手形は営業外受取手形で処理します。

営業外受取手形➡資産

資産の増加=借方

(借) 営業外受取手形 238,000
(貸)

売却益または売却損

ここまでをまとめると

(借) 減価償却費 73,728
(貸) 備品減価償却累計額 73,728
(借) 備品減価償却累計額 782,208
(貸) 備 品 1,200,000
(借) 営業外受取手形 238,000
(借) 差額 179,792

です。借方に生じている差額は固定資産売却損となります。以上をまとめたものが解答の仕訳となります。

解答

(借) 減価償却費 73,728
(貸) 備品減価償却累計額 73,728
(借) 備品減価償却累計額 782,208
(貸) 備 品 1,200,000
(借) 営業外受取手形 238,000
(借) 固定資産売却損 179,792

備品減価償却累計額を相殺した次の仕訳でも正解となります。

(借) 減価償却費 73,728
(借) 備品減価償却累計額 708,480
(貸) 備 品 1,200,000
(借) 営業外受取手形 238,000
(借) 固定資産売却損 179,792
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