第149回日商簿記2級第1問3は修繕引当金と修繕費について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような仕訳になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
建物の修繕工事を行い、代金¥90,000は小切手を振り出して支払った。なお、工事代金の20%は改良のための支出と判断された。また、この修繕工事に備えて、前期に¥60,000の引当金を設定している。
目次
解説
…代金¥90,000は小切手を振り出して支払った。…
小切手を振り出すと、近い将来当座預金からその分の金額が引き落とされるため、簿記では小切手を振り出した時点で当座預金を減少させる処理を行います。
小切手の振り出し➡当座預金の減少
当座預金➡資産
資産の減少=貸方
(借)
(貸) 当座預金 90,000
(貸) 当座預金 90,000
…工事代金の20%は改良のための支出と判断された。…
支払った¥90,000のうち20%、¥18,000は改良のための支出と判断されたため、その分は建物を増やします。
建物➡資産
資産の増加=借方
(借) 建 物 18,000
(貸)
(貸)
…また、この修繕工事に備えて、前期に¥60,000の引当金を設定している。
修繕引当金が設定されている場合は、まず修繕引当金を取り崩し、それでも足りない場合は修繕費を計上します。
本問では修繕引当金¥60,000 が設定されているため、その全額を取り崩します。
修繕引当金➡負債
修繕引当金の取崩し➡修繕引当金の減少
負債の減少=借方
(借) 修繕引当金 60,000
(貸)
(貸)
ただし修繕には¥72,000かかっており、¥60,000では¥12,000足りません。この足りない¥12,000を修繕費とします。
修繕費➡費用
費用の計上=借方
(借) 修繕費 12,000
(貸)
(貸)
以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(借) 建 物 18,000
(借) 修繕引当金 60,000
(借) 修繕費 12,000
(貸) 当座預金 90,000
(借) 修繕引当金 60,000
(借) 修繕費 12,000
(貸) 当座預金 90,000
第149回日商簿記2級第1問
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