第141回日商簿記2級第1問1は受取配当金の処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
当座預金口座に、Y株式会社の株式に対する期末配当金 ¥80,000(源泉所得税 20%を控除後)の入金があった旨の通知があった。
目次
解説
本問では配当金の受取りの処理について問われています。受け取った¥80,000は源泉所得税を20%控除した後、つまり80%分(=100%-20%)の金額である点に注意します。¥80,000÷80%=¥100,000 と計算することによって、所得税が引かれる前の配当金全額の金額が ¥100,000と求めることができます。
このことから、「受取配当金」(収益)の金額は¥100,000であることが判明します。
…期末配当金¥80,000(源泉所得税20%を控除後)…
受取配当金➡収益
収益の発生=貸方
(借)
(貸) 受取配当金 100,000
(貸) 受取配当金 100,000
当座預金口座に、Y株式会社の株式に対する期末配当金¥80,000…の入金があった旨の通知があった。
当座預金➡資産
当座預金口座に入金➡資産の増加=借方
(借) 当座預金 80,000
(貸)
(貸)
…源泉所得税20%…
株式の配当金は受け取る時点で20%が差し引かれます。受取配当金の20%、つまり¥20,000(=¥100,000×20%)が源泉所得税です。どの勘定科目を使えばいいのかわからないとき、勘定科目群をヒントに考えます。勘定科目群を見てみると「源泉所得税」のような科目がないため困ってしまいます。結論から言うと本問では「仮払法人税等」で処理します。これは税法で学ぶ知識なので、できなくてもしょうがない問題といえると思います。
仮払法人税等➡資産
資産の増加=借方
(借) 仮払法人税等 20,000
(貸)
(貸)
以上をまとめたものが解答の仕訳となります。
解答
(借) 当座預金 80,000
(借) 仮払法人税等 20,000
(貸) 受取配当金 100,000
(借) 仮払法人税等 20,000
(貸) 受取配当金 100,000
第141回日商簿記2級第1問
問 | 出題論点・解説ページへのリンク |
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1 | 受取配当金 |
2 | 建設仮勘定 |
3 | 仕入割戻の処理 |
4 | 研究開発費と消費税 |
5 | 商品保証引当金 |