第133回日商簿記2級第1問5は不渡手形、保証債務の取崩しの処理について仕訳問題が出題されました。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような解答になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
H商事に対する買掛金支払いのため、同商事に1か月前に裏書譲渡した、K商会振出し、当店宛の約束手形 ¥100,000が不渡りとなり、同商事から手形金額とともに、償還請求にかかわる費用 ¥2,000と満期日以降の利息 ¥300の請求を受け、小切手を振り出して支払った。なお、この手形については、裏書きをしたさいに、額面金額の1%相当額の保証債務が計上されていたので、これを取り崩した。
目次
解説
…同商事に1か月前に裏書譲渡した…約束手形 ¥100,000が不渡りとなり、同商事から手形金額とともに、償還請求にかかわる費用 ¥2,000と満期日以降の利息 ¥300の請求を受け、小切手を振り出して支払った。
¥100,000と¥2,000と¥300の小切手振出しによる支払い➡当座預金
当座預金➡資産
資産の減少=貸方
(借)
(貸) 当座預金 123,000
(貸) 当座預金 123,000
…H商事に対する買掛金支払いのため、同商事に1か月前に裏書譲渡した、K商会振出し、当店宛の約束手形 ¥100,000が不渡りとなり…
H商事が支払うべきお金の立て替え払い➡H商事に対する請求権が発生➡不渡手形
😯 不渡手形の金額には、償還請求にかかわる費用と満期日以降の利息も含めます。
不渡手形➡資産
資産の増加=借方
(借) 不渡手形 123,000
(貸)
(貸)
…なお、この手形については、裏書きをしたさいに、額面金額の1%相当額の保証債務が計上されていたの で、これを取り崩した。
額面金額(¥100,000)の1%相当額の保証債務の計上
保証債務➡負債
負債の増加=貸方
(借) 保証債務費用 1,000
(貸) 保証債務 1,000
(貸) 保証債務 1,000
裏書譲渡した手形が不渡りになったので、保証債務は役目を終え取り崩します。
保証債務の減少=借方
(借) 保証債務 1,000
(貸)
(貸)
同時に保証債務と同時に計上した借方、保証債務費用(費用)を取り消す意味で、保証債務取崩益(収益)を計上します。
保証債務取崩益➡収益
収益の発生=貸方
(借)
(貸) 保証債務取崩益 1,000
(貸) 保証債務取崩益 1,000
解答
(借) 不渡手形 123,000
(貸) 当座預金 123,000
(借) 保証債務 1,000
(貸) 保証債務取崩益 1,000
(貸) 当座預金 123,000
(借) 保証債務 1,000
(貸) 保証債務取崩益 1,000
第133回日商簿記2級第1問
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1 | 荷為替の取組み |
2 | 有価証券の売却(移動平均法) |
3 | 銀行勘定調整表・当座預金の修正 |
4 | 株式の発行、創立費 |
5 | 不渡手形、保証債務の取崩し |