第125回簿記2級第4問は工業簿記から仕訳問題が出題されました。
仕訳問題の2問目は材料の消費取引です。
本試験問題の改題を掲載しますので、どのような仕訳になるか考えてから解説を読んで確認してみてください。
問題
※ (素材を消費する前に)当月、素材 1,000,000円(@500円 2,000個)および補修用材料 50,000円(@200円 250個)を掛けで購入した。
解説
問題文に「素材 1,750個を消費した」とありますが、月初時点で素材は600個しかありません。そこで、2問目は1問目と連続した問題になっていると考え、解いていきます。
状況を整理するため、1問目、2問目を時系列に直して書き出しておきます。
- 月初の素材有高は240,000円(@400円 600個)であった。
- 当月、素材 1,000,000円(@500円 2,000個)および補修用材料 50,000円(@200円 250個)を掛けで購入した。
- 当月、素材1,750個を消費した。
- 材料費は先入先出法で計算する。
というようにまとめられますね。
当月、素材 1,750個を消費した。なお、月初の素材有高は 240,000円(@400円 600個)であり、材料費は先入先出法で計算している。
先入先出法で計算した場合に素材 1,750個の内訳がどのようになるか考えます。
素材1,750個の内訳
まず古いものから先に使っていくので先に月初有高を消費します。月初分は600個です。
次に消費した素材は全部で1,750個なので、引き算をするとまだ 1,150個足りません。(=1,750個-600個)
そこで、当月購入分から1,150個を消費します。1問目より当月分の購入単価は@500円なので、消費額を求める場合は@500円を使って計算します。
当月購入分からの消費 575,000円
@500円×1,150個(=1,750個-600個)
これで消費した素材の内訳がわかったので、次に仕訳がどのようになるか考えます。
仕訳の形を考える
素材は「材料」で仕訳します。「材料」は価値あるものなので資産です。
資産の科目は増えたら借方、減ったら貸方に記入しますが、ここでは素材を消費した場合なので、資産が減っていると考え貸方に記入します。
素材➡材料
材料➡資産
素材を消費した➡資産の減少=貸方
(貸) 材料 815,000
また、単に「素材を…消費した」という場合、直接材料費と考え「仕掛品」で仕訳します。
「仕掛品」は資産なので増えたら借方に記入します。
仕掛品➡資産
資産の増加=借方
(貸)
上の2つを合わせたものが解答の仕訳となります。
解答
(貸) 材 料 815,000