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費用の繰延べ~毎年同額タイプ【日商簿記3級 精算表問題の解き方解説 6】

費用の繰延べ毎年同額

精算表問題で必ず出題される決算整理仕訳。
今回はそんな決算整理仕訳の中から費用の繰延べの毎年同額タイプを取り上げて解説します。
日商簿記3級では費用の繰延べが毎回必ずといっていいほど出題されています。解き方をしっかりマスターしておきましょう。

目次

費用の繰延べ(毎年同額タイプ)

次のような問題文資料があるとします。

問題文資料

費用の繰延べ毎年同額タイプ

ちょっとわかりにくいですが、これは「費用の繰延べ」に関する問題です。

「毎年同額を」と書かれているため私は勝手に毎年同額問題と呼んでいます。

通常の費用の繰延べの問題と同じで

期末日はいつか

を必ずチェックします。

本問では会計期間が1月1日から12月31日までなので期末日は12月31日です。

費用・収益は損益計算書に1年分だけ計上します。

本問にあてはめて考えると1月1日から12月31日までに発生した費用・収益だけを計上しなければなりません。

それでは、この問題の解き方を一緒に考えていきましょう。

解説

さらに資料を確認していきます。答案用紙の残高試算表を見ると

費用の繰延べ毎年同額

「支払保険料」4,620となっています。

この¥4,620「毎年同額を10月1日に12か月分として支払」った分です。

通常の費用の繰延べ問題ではこの残高試算表の金額を12で割りましたが、今回は気を付けなければなりません。

まずは図を書いて状況を整理します。

費用の繰延べ 毎年同額タイプ図

前年のはみ出した部分は、今年の分の費用です。

  1. 前年に費用の繰延べを行った場合、今年の期首に再振替仕訳を行うため、1月から9月までの9か月分の支払保険料が今年分として計上されています。
  2. そしてさらに今年も10月1日に12か月分の支払保険料を支払います。
  3. そうすると前年から繰り延べられてきた9か月分と今年支払った12か月分の合わせて21か月分が残高試算表の支払保険料として計上されていることになります。

このことから残高試算表に計上されている支払保険料は21か月分とわかります。そこで¥4,62021で割って1か月分の保険料を求めることになります。

「毎年同額」の場合、12+はみ出た月数で割る

と覚えておきましょう。

計算式は

4,620÷(12+9)

となりメモリー機能を使って

電卓のキー操作
12+9M+
4620÷MR

と叩けば、1か月分の保険料

220

が求められます。

ここまでくればあとは通常の繰延べの問題と同じです。

10月1日から12月31日までは当期の分なので損益計算書に残してもいいのですが、来年1月1日から9月30日までの分(はみ出した部分)来年の費用なので、その分については費用から減らさなくてはなりません

というわけで

  • 10月1日から12月31日分 =3か月分 ⇒そのまま
  • 1月1日から9月30日分 =9か月分費用から減らし来期分に回す

という結果になるように会計処理を行います。

つまり、支払保険料のうち9か月分を費用から減らし来期分に回すことができればよいのです。

仕訳をしてみましょう。

支払保険料⇒費用

費用を減らす=貸方

(借方) 
   (貸方) 支払保険料 9か月分

次期に繰り越す支払保険料については、「前払保険料」という勘定科目を使います。

前払保険料⇒資産

資産の増加=借方

(借方) 前払保険料 9か月分
   (貸方)

ここで1か月分の保険料は¥220なので、

220×9

を計算すると9か月分が¥1,980と求められます。

上の借方と貸方を合わせ金額を入れた

(借方) 前払保険料 1,980
   (貸方) 支払保険料 1,980

が繰延べの仕訳になります。

仕訳ができたら答案用紙を埋めていきましょう。

前払保険料については貸借対照表の借方に記入されます。

f:id:bokipapa:20141010103707j:plain

支払保険料の金額は、もともとあった21か月分¥4,620から9か月分¥1,980を引いた¥2,640(12か月分)を損益計算書の借方に記入します。

f:id:bokipapa:20141010103544j:plain

まとめ

今回は費用の繰延べの毎年同額タイプについて見てきました。

毎年同額タイプはちょっとだけ難しいですが

12+はみ出た月数で割る

と覚えてなんとか答えをひねり出すようにしましょう。

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