工業簿記第4問で仕訳問題が出題された場合にはここで扱っている仕訳問題の解き方を使えば簡単に答えを出すことができます。
今回は製造間接費の予定配賦についてです。
製造間接費は直接製品に割り当てられない費用を、いったん製造間接費に集めておこうということで計上されるものです。
製造間接費はさまざまな費目からなっており、実際発生額の集計には手間がかかります。その集計作業を待っていたのでは計算が著しく遅れてしまうため、予定配賦率を使って予定配賦が行われる場合が多いのです。
問題
直接工について、作業時間票によれば、当月の実際直接作業時間1,250時間、実際間接作業時間80時間であった。作業時間票の直接作業時間を配賦基準として、予定配賦率により製造間接費を各製造指図書に配賦する。なお、年間の製造間接費予算は64,800,000円(うち変動費24,300,000円、固定費40,500,000円)、年間の予定総直接作業時間は16,200時間である。
目次
解説
年間の製造間接費予算と年間の予定総直接作業時間のデータが与えられ、その数値を使って予定配賦率を求めてから、予定配賦の金額を計算させる問題がよく出題されます。
予定配賦するということは、製造間接費から仕掛品に振り替えることを意味します。ということは、
予定配賦率×直接作業時間の金額だけ仕掛品を増やし、同額だけ製造間接費を減らせばよいということがわかります。
64,800,000円÷16,200時間=4,000円/時間
4,000円/時間×1,250時間=5,000,000円
仕掛品➡資産
資産の増加=借方
(借) 仕掛品 5,000,000
(貸)
(貸)
製造間接費➡費用
費用の減少=貸方
(借)
(貸) 製造間接費 5,000,000
(貸) 製造間接費 5,000,000
この2つをまとめると解答となります。
解答
(借) 仕掛品 5,000,000
(貸) 製造間接費 5,000,000
(貸) 製造間接費 5,000,000
「製造間接費…予定配賦」とあったら、製造間接費を減らすから「貸方 製造間接費」と覚えておきましょう。