日商簿記3級に合格するためには、第1問の仕訳問題対策が非常に重要です。
そこで、このページでは日商簿記3級 第148回試験から第150回試験で出題された15問(改題)を
の順で並べてみました。
試験直前期の最終チェックにご利用ください。
第150回問題1
解説
土地の取得原価を求めます。購入手数料は土地に含めます。
¥5,500×750㎡=¥4,125,000
¥4,125,000+¥50,000=¥4,175,000
購入手数料=固定資産(土地)の購入に伴って生じた付随費用➡固定資産(土地)の取得原価に含める
土地➡資産
資産の増加=借方
(貸)
普通預金➡資産
普通預金から支払い➡資産の減少=貸方
(貸) 普通預金 50,000
月末に支払うことにした土地代金は未払金(負債)で処理します。買掛金にしないよう注意しましょう。
未払金➡負債
負債の増加=貸方
(貸) 未払金 4,125,000
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 普通預金 50,000
(貸) 未払金 4,125,000
第150回問題2
解説
仕入は費用の科目なので、仕入勘定は借方残高です。
- 仕入勘定から損益勘定へ振り替える
- ➡仕入を減らす
- ➡費用の減少=貸方
- ➡損益勘定の費用側を増やす
- ➡損益=借方
というように考えて仕訳します。
(貸) 仕 入 200,000
以上が解答の仕訳となります。
解答
(貸) 仕 入 200,000
第150回問題3
解説
決算日では現金過不足勘定の残高をゼロにします。現金過不足勘定は貸方残高¥1,000 なので、残高をゼロにするには借方に仕訳します。
現金過不足貸方残高➡ゼロにする
現金過不足=借方
(貸)
旅費交通費➡費用
費用の計上=借方
(貸)
受取手数料➡収益
収益の計上=貸方
(貸) 受取手数料 1,500
以上の仕訳をいったんまとめると次のようになります。すると、貸方が¥200 不足して貸借が合いません。
(借) 現金過不足 1,000
(貸) 受取手数料 1,500
(貸) 差 額 200
この貸借が合わない差額(貸方が¥200不足)の原因は不明なので、雑益または雑損とします。
差額が借方➡雑損(費用)
差額が貸方➡雑益(収益)
なので、本問では差額=雑益となります。
解答
(借) 現金過不足 1,000
(貸) 受取手数料 1,500
(貸) 雑 益 200
第150回問題4
解説
普通預金➡資産
普通預金口座からの支払い➡資産の減少=貸方
(貸) 普通預金 200,000
建物の資産価値を高める支出額=資本的支出
資本的支出は建物で処理します。
建物➡資本的支出➡資産
資産の増加=借方
(貸)
建物の現状を維持するための支出額=収益的支出
修繕費で処理します。
修繕費➡費用
費用の発生=借方
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 修繕費 40,000
(貸) 普通預金 200,000
第150回問題5
解説
現金➡資産
資産の減少=貸方
(貸) 現 金 8,000
租税公課は費用です。費用が発生したので租税公課を借方に仕訳します。
租税公課➡費用
費用の発生=借方
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 現 金 8,000
第149回問題1
解説
他店にお金を貸し付けたことにより「後でお金を受け取る権利」が発生します。お金を貸し付けた際に受け取った約束手形は「手形貸付金」で処理します。
手形貸付金➡資産
資産の増加=借方
(貸)
お金を貸し付けたことにより受け取る利息は「受取利息」(収益)で処理します。
受取利息➡収益
収益の発生=貸方
(貸) 受取利息 5,000
手形貸付金 ¥ 500,000 から利息 ¥ 5,000 を差し引いた残額は¥ 495,000 です。この金額を当店の普通預金口座から振り込んでいるので、普通預金を減らします。
普通預金➡資産
普通預金口座から振り込み➡資産の減少=貸方
(貸) 普通預金 495,000
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 普通預金 495,000
(貸) 受取利息 5,000
第149回問題2
解説
商品を売り上げたので「売上」(収益)が発生します。
売上➡収益
収益の発生=貸方
(貸) 売 上 190,000
また、商品の代金は掛けとしているため、後でお金を受け取る権利が発生します。商品を売り上げたことにより後でお金を受け取る権利は「売掛金」(資産)で処理します。
売掛金➡資産
資産の増加=借方
(貸)
¥ 5,000 を現金で支払っているので、現金を減らします。
現金➡資産
現金で支払った➡資産の減少=貸方
(貸) 現 金 5,000
現金で支払った¥ 5,000 については、掛代金に含めるため、「売掛金」を増やします。
売掛金➡資産
掛代金に含める➡資産の増加=借方
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 売 上 190,000
(貸) 現 金 5,000
第149回問題3
解説
売掛金¥160,000 が貸倒れたため、売掛金を減らします。
売掛金➡資産
売掛金の貸倒れ➡資産の減少=貸方
(貸) 売掛金 160,000
前期販売分で発生した売掛金が貸し倒れたため、貸倒引当金を取り崩します。
貸倒引当金➡負債(資産のマイナス)
負債(資産のマイナス)の減少=借方
(貸)
貸倒引当金残高¥60,000 を超える¥100,000(=¥160,000-¥60,000)については、当期の費用「貸倒損失」とします。
貸倒損失➡費用
費用の発生=借方
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 貸倒損失 100,000
(貸) 売掛金 160,000
第149回問題4
解説
普通預金口座から¥12,000 を支払ったため、普通預金を減らします。
普通預金➡資産
資産の減少=貸方
(貸) 普通預金 12,000
広告宣伝費は「費」がつくから費用です。費用が発生したので広告宣伝費を借方に仕訳します。
広告宣伝費➡費用
費用の発生=借方
(貸)
普通預金口座から¥300 が引き落とされたため、普通預金を減らします。
普通預金➡資産
資産の減少=貸方
(貸) 普通預金 300
振込手数料は費用です。費用が発生したので「支払手数料」を借方に仕訳します。
振込手数料➡支払手数料➡費用
費用の発生=借方
(貸)
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 支払手数料 300
(貸) 普通預金 12,300
第149回問題5
解説
備品を売却します。備品は資産なので、減ったら貸方に仕訳します。
備品➡資産
資産の減少=貸方
(貸) 備 品 800,000
備品を減らすと同時に減価償却累計額も減らします。減価償却累計額は固定資産のマイナス(負債)を表すので、減ったら借方に仕訳します。
備品減価償却累計額➡資産のマイナス
資産のマイナスの減少➡負債の減少をイメージ=借方
(貸)
備品を売却した代金は¥40,000 です。ただしこの代金は、月末に受け取ることにしました。つまり、固定資産を売却したことによって後でお金を受け取ることができる権利が発生しました。
この後でお金を受け取ることができる権利は未収入金で処理します。売掛金ではないので気をつけましょう。売掛金は商品を売り上げたときに使います。
未収入金➡資産
資産の増加=借方
(貸)
ここまでの仕訳を書き出してみると
(借) 未収入金 40,000
(借) 差 額 120,000
(貸) 備 品 800,000
というようになり、借方に差額 ¥120,000 が生じています。
備品の正味の価値は、¥160,000(=備品¥800,000-備品減価償却累計額¥640,000)。¥160,000のものが¥40,000でしか売れなかったため、差額の¥120,000 は損失となります。
差額➡固定資産売却損
固定資産売却損は費用の科目なので、借方に仕訳をします。
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 未収入金 40,000
(借) 固定資産売却損 120,000
(貸) 備 品 800,000
第148回問題1
解説
商品の仕入➡費用
費用の発生=借方
(貸)
K商店(他人)振出しの約束手形➡受取手形(資産)
約束手形の裏書譲渡➡資産の減少=貸方
(貸) 受取手形 10,000
残額:¥3,000(=¥13,000-¥10,000)
小切手の振り出し➡当座預金(=資産)の減少=貸方
(貸) 当座預金 3,000
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 受取手形 10,000
(貸) 当座預金 3,000
第148回問題2
解説
買掛金と売掛金の相殺
買掛金➡負債
負債の減少=借方
(貸)
売掛金➡資産
資産の減少=貸方
(貸) 売掛金 10,000
買掛金の支払い
買掛金➡負債
負債の減少=借方
(貸)
小切手の振り出し➡当座預金(=資産)の減少=貸方
(貸) 当座預金 40,000
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 売掛金 10,000
(貸) 当座預金 40,000
第148回問題3
解説
有価証券の取得原価の計算
取得口数¥50,000÷@¥100=500口
取得原価:500口×@¥98=¥49,000
有価証券➡資産
資産の増加=借方
(貸)
現金➡資産
現金で支払い➡資産の減少=貸方
(貸) 現 金 49,000
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 現 金 49,000
第148回問題4
解説
整地作業=固定資産(土地)の購入に伴って生じた付随費用➡固定資産(土地)の取得原価に含める
整地作業の代金➡資産
資産の増加=借方
(貸)
現金➡資産
現金で支払い➡資産の減少=貸方
(貸) 現 金 15,000
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(貸) 現 金 15,000
第148回問題5
解説
借入金の利息の計算:¥73,000×0.02÷365×100=¥400
支払利息➡費用
費用の発生=借方
(貸)
借入金➡負債
借入金の返済➡負債の減少=借方
(貸)
当座預金➡資産
当座預金から返済➡当座預金の減少=貸方
(貸) 当座預金 73,400
以上をまとめると解答の仕訳となります。
解答
(借) 支払利息 400
(貸) 当座預金 73,400