仕入の行で売上原価を計算する→「しくりくりし」の意味【日商簿記3級 精算表問題の解き方解説 3】

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精算表問題で必ず出題される決算整理仕訳。

今回はそんな決算整理仕訳の中から売上原価の計算を取り上げて解説します。

日商簿記3級では売上原価の計算が毎回必ず100%出題されています。解き方をしっかりマスターしておきましょう。

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売上原価の計算

次のような問題文資料があるとします。

問題文資料

[決算整理事項]
3.期末商品の単価は@¥7、数量は50個であった。売上原価は、「仕入」の行で計算すること。

この世界で一番簡単な例題を通して売上原価の計算の解き方を考えていきます。

解説

おなじみの言葉にアンダーラインを引いておきました。

簿記3級の精算表の問題では、

売上原価は、「仕入」の行で計算すること。
 

という注意書きがよく書かれています。

この言葉の意味をわかりやすく言い換えると

「仕入」の金額が売上原価の金額になるように修正しなさい。
 

となります。

えっ?余計わかりにくくなりました?

文章だけ見ているより具体例で考えた方が早いので例題を解きながら見ていきましょう。

「しくりくりし」を丸暗記

実は売上原価の計算の意味というのは、しっかり理解するのはなかなか大変です。

売上原価の計算が理解できている人は簿記の仕組みが理解できている人と言ってもいいかもしれません。

この仕組みは受験生のうちは理解するのがなかなか大変です。

ここでも一応仕組みをわかりやすく解説していきますが、一度で理解できなくても気にしないでください。むしろ理解できる人の方が少ないというくらい難しい部分といえるかもしれません。

そこでまずは手っ取り早く問題が解けるように暗記で済ませる方法をご紹介します。

まず、「売上原価の計算」ときたら、条件反射で「しくりくりし」です。

「売上原価」→「しくりくりし」
 

というように「売上原価」という言葉を見たら、条件反射で「しくりくりし」が思い出せるように覚えてください。

ちなみに「しくりくりし」とは、「入、越商品、越商品、入」の頭文字をとったもの。

この呪文のような言葉を覚えてなんとか問題が解けるようにします。

売上原価の計算を解く手順 1

「売上原価」を見たら「しくりくりし」と唱え
 

(借方) 仕 入 ×××
   (貸方) 繰越商品 ×××

(借方) 繰越商品 △△△
   (貸方) 仕 入 △△△

の仕訳を書く。まだ何のことかわからないかもしれませんが、とにかくこの仕訳を思い出して書けるようにしてください。

売上原価の計算を解く手順 2

仕訳が書けたら、×××には、期首商品の金額、△△△には、期末商品の金額を記入します。

期末商品というのは、仕入れた商品のうち期末に売れ残った商品のこと。期首商品は翌期に繰り越された期末商品のことをいいます。

期首商品の金額は、答案用紙の精算表にすでに印刷されている場合が多く

残高試算表欄の繰越商品=期首商品
 

となります。

期首商品 期末商品

たとえばこのように書かれていたら期首商品の金額は¥290とわかります。

次に期末商品の金額は、問題文資料「3.期末商品の単価は@¥7、数量は50個」というところから 

電卓のキー操作
7×50

で¥350と求められます。

期首商品はさきほどの仕訳の×××に、期末商品の金額は△△△に書きます。

(借方) 仕 入 290
   (貸方) 繰越商品 290

(借方) 繰越商品 350
   (貸方) 仕 入 350

これで売上原価の計算の仕訳が完成です。

売上原価の計算を解く手順 3

あとはこの仕訳をもとに精算表に記入していけばよいということになります。

これが売上原価の計算を解く手順です。

効率のよい解き方

売上原価の計算を解く手順は上に書いた通りですが、売上原価の計算の意味を理解しながら効率のよい解き方を考えていくことができます。同じ例題を使いながら実際に答案用紙に記入する順序を追って解説していきます。

1.期末商品

まず問題文資料「3.期末商品の単価は@¥7、数量は50個」から 

電卓のキー操作
7×50

で期末商品の金額¥350を求めます。

350
 

電卓にこの数字が表示されたらすぐに答案用紙に記入します。

商品は資産なので、記入する場所は繰越商品の貸借対照表欄の借方です。

期首商品の金額

2.期首商品

次に、修正記入欄の「仕入」の借方に期首商品の金額¥290を記入します。

こうすることによって、もともとあった残高試算表の「仕入」¥3,150に期首商品¥290が加算され、商品の金額の合計が求められることになります。

借方から借方へ

するとこの段階で「仕入」が商品の金額の合計になります。

3,150+290=3,440
 

当期仕入と期首商品の合計

このままだと、「仕入」の金額は当期に仕入れた商品¥3,150と期首商品¥290の合計¥3,440となります。

もしすべての商品が売れたのであれば、このままこの合計金額を費用に計上すればいいのですが、本問では問題文資料にもあるとおり、全ての商品が売れているわけではなく、売れ残り(期末商品)があります。

そのため売れ残った期末商品は費用に計上できないので、その分を仕入(売上原価)から減らします。

仕入=費用→借方
 

仕入は費用で借方の科目です。ここでは仕入(費用)を減らしたいので、貸方に¥350を記入します。ここで電卓を使えば 

電卓のキー操作
3150
+290
350

3,090
 

が求められます。これは売れた商品の金額(売上原価の金額)で「仕入」の損益計算書欄の借方に記入します。

売上原価の金額

あとは、繰越商品の行の貸方に期首商品の金額¥290を記入すればOKです。

売上原価 繰越商品の行

これで「しくりくりし」の仕訳を精算表に記入すれば終了です。

(借方) 仕 入 290
   (貸方) 繰越商品 290

(借方) 繰越商品 350
   (貸方) 仕 入 350

まとめ

今回は売上原価の計算について見てきました。

毎回必ず出題されるところなので、しっかり確認しておいてください。